2012年7月14日(土):曇りときどき晴れ:横浜→八王子→小淵沢→信濃川上→川端下→金峰山荘
■連休を利用して日帰りではきびしい山に行こうと思い、奥秩父の盟主や主峰ともいわれる金峰山(山梨県では「きんぷさん」、長野県では「きんぽうさん」)に登ることに。1日目は長野県側の廻目平まで行って金峰山荘に泊まり、翌日、金峰山に登り、岩稜をたどって山梨県側の瑞牆山荘に下る計画だ。
本日は10:00頃に家を出て、横浜線直通の列車で八王子に行き、特急あずさに乗り換えるはずが、八王子に着いた時点で予定が狂ってしまった。信号かなにかにトラブルがあったらしく、とっくに出ているはずの特急はまかいじがまだ到着していない。はまかいじの後には、詰まっていた普通の高尾行きが次々につづき、20分以上遅れてあずさがやっと到着。
小淵沢で小海線に接続する列車が待っていてくれたからよかったものの、小淵沢13:14発の列車を逃すとめんどうなことになる。この列車であれば、信濃川上に14:00に着き、14:06の村営バスに接続しているが、次の列車になると信濃川上着が15:50になるうえ、16:54のバスを待たなければならない。しかもそのバスは、終点・川端下のひとつ手前の梓山までしかいかない。それから歩くとなると、山荘に着くのが19:00近くになってしまう。
小海線は、以前いつ乗ったか思い出せないくらい久しぶり。ディーゼルエンジンで発電した電気と、蓄電池に充電した電気を効果的に使用して走行するというハイブリッド車両に変わっていた。信濃川上で下車し、待っていてくれたバスに乗り込む。バスに乗り換えたのはわれわれ二人だけだった。ありがたい。
信濃川上から終点の川端下までは40分。駅を出ると間もなく左手に天狗山(1882m)が見える。昭文社の「金峰山・甲武信」地図によれば、駅から登れるコースがある。いずれ登ってみたい。
周辺の山に見とれているうちに川端下に到着。運転手さんに金峰山荘への道を尋ねると、泊まるなら迎えにきてもらえばよかったのにといわれた。場合によっては送迎もしてくれるらしい。確かにそのほうが楽だが、山荘までは歩いて75分の道程で、翌日のウォーミングアップとしてそのくらいは歩いておいたほうがよいだろう。
川端下の集落を抜けると、野菜畑が広がる。金峰山川に沿うように畑の間の道を進んでいくと、右手に尖った岩峰が並ぶ屋根岩が見えてくる。しばらくするとその屋根岩のうえから黒雲がわき出してきたが、天気が崩れる気配はない。
50分ほどで西股と東股の分岐に到着。右手の西股沢沿いに進む。道の脇には白樺の林が広がっている。分岐から30分ほどで金峰山荘に到着。
山荘のサイトで利用料金表を見ると、1泊2食付きで本館が大人6800円、新館が7300円とある。その違いを電話で確認すると、建物が新しいか古いかと、テレビがあるかないかということだったので、サイトの予約フォームから本館を予約した。
われわれの部屋は本館2階、西股沢に面した「白樺」の間。この山荘は、気持ちいいくらいにセルフサービスが徹底している。たとえば、部屋にゴミ箱はなく、各自が通路に設置されたゴミ箱に分別して捨てる。お茶は、1階の食堂にいって、自分で急須に緑茶のティーバックとお湯を入れて持ってくる。大浴場にシャンプーやボディソープはなく、宿泊客の入浴セットのなかに一回分が用意されている。
山荘周辺はロッククライミングのポイントになっていて、部屋の窓からは沢の向こうにそそり立つ岩峰や絶壁が眺められる。その岩壁をよく見ると、一人が岩にとりつき、下から4、5人が見上げていた。
部屋でひと休みしてからまず風呂に入った。サイトの説明によれば、金峰山川から引いたミネラル豊富な水を使っていて、お湯の色は川の色そのままとのこと。そして18:00から食堂で夕食。鮭のアラの入った味噌汁や黒米入りのご飯はやはりセルフサービス。煮物、刺身、焼き魚、デザートのメロンなどを完食。
翌日は明るくなりしだい出発したかったので、朝食はお弁当にしてもらった。20:00前に受付でそのお弁当を受け取り、会計をすませ、沢の音を聞きながら消灯時間の21:00にはふとんにもぐりこんだ。
(金峰山に登る その二につづく)