バスや電車を乗り継ぎ、弥彦温泉へ――新潟の温泉・霊場巡り その十 | 楽土慢遊

バスや電車を乗り継ぎ、弥彦温泉へ――新潟の温泉・霊場巡り その十

所在地:
[弥彦温泉 清水屋旅館] 新潟県西蒲原郡弥彦村弥彦2921-1
交 通:
弥彦線・弥彦駅、弥彦神社の鳥居の目の前

2015年8月13日(木):晴れときどき曇り:慈光寺―(タクシー)→旧村松駅―(バス)→五泉駅―(磐越西線)→新津駅―(信越本線)→東三条駅―(弥彦線)→吉田駅―(弥彦線)→弥彦駅―(徒歩)→弥彦温泉・清水屋旅館









■ (新潟の温泉・霊場巡り その九からのつづき)七堂伽藍の古刹・慈光寺に参詣し、霊峰・白山の登山口近辺を歩き、樹齢300年以上の杉並木の参道を戻る。

駐車場に建つ黄金の里会館のベンチに座り、予約したタクシーを待つ。駐車場からは杉並木の向こうに山の頂が少しだけ見える。

タクシーに乗り込み、五泉駅に向かうバスが通っている旧村松駅に向かう。一面の稲穂を見ると、宿で食べた美味いご飯の味を思い出してしまう。

レトロな雰囲気の旧村松駅に到着。かつてはこの地域の住民の足となっていた蒲原鉄道の駅だったが、1999年の廃線後はバスターミナルとして使用されている。

五泉駅と北五泉駅を結んで循環する「ふれあいバス」に乗り込み、五泉駅に向かう。一般の路線バスとは違い、蒲原鉄道、新潟交通観光バス、泉観光バスの3社で構成される五泉市乗合バス協議会によって共同運行されている。

JR磐越西線の五泉駅に到着。ここからがまた長い。まず新津駅まで行って信越本線に乗り換え、東三条駅で弥彦線に乗り換え、同じ線の吉田駅でまた乗り換えやっと弥彦駅にたどり着く。交通の便が悪いためかなりの手間になるが、ここまで来たら彌彦神社には行っておきたい。そこには弥彦山がそびえ、弥彦温泉もある。

五泉駅のホームからは菅名岳を中心に鳴沢峰や大蔵山が連なる山塊がよく見える。五泉市公式サイトの登山情報ページには、以下のような説明がある。

「五泉市は、三方を山に囲まれ、手ごろな登山に、またハイキングに親しまれています。東には約900Mの菅名岳・大蔵山・鳴沢峰があり、西には約250Mの菩提寺山・高立山・護摩堂山があり、南には約1000Mを超える白山・日本平山・銀次郎山・銀太郎山を始め、木六山・毛石山・権現山・天狗の庭等があります」

「菅名岳・大蔵山の中腹には、ブナの原生林やカツラの巨木が植生しており、古くからの手付かずの自然を見ることができます。また、五泉の水源となる清水がいたる所から涌き出ており、中でも1時間ほど登った所にある『どっぱら清水』や、大蔵山登山口のふもとにある『吉清水』などが知られています」

これは覚えておきたい情報だ。

新津駅に到着。次の電車まで時間があるので付近を散策。

かりんとうが好物の筆者は、「その五」で月岡温泉の「かりんとう饅頭」が気になると書いたが、新津駅の外の売店で「とちの実かりんと」を見つけた。第21回全国菓子大博覧会金賞受賞というポップも目に入り、試しに買ってみたのだが、甘さ控えめで、とちの実の風味とカリッした触感がやみつきになった。

新津駅16:31発の信越本線・長岡行きに乗り、東三条で下車し、弥彦線のホームに移動し、すでに入線している17:34発の吉田行きに乗り込む。

電車の終点の吉田駅まで行き、今度は弥彦行きに乗り換える。吉田駅では弥彦線と越後線が交わっている。弥彦神社や温泉の北には岩室温泉もあり、吉田駅で乗り換え越後線で2駅の岩室駅が最寄り駅になる。

吉田駅から終点の弥彦駅までは2駅。終点が近づくと水田の向こうに山並みが見えてくる。その山の向こうには日本海が広がっている。明日、天候に恵まれれば海が拝めるはずだが、予報はあまりよろしくない。

18:15にようやく弥彦駅に到着。駅舎は彌彦神社の拝殿を模した木造の入母屋造で、大正6年の建築とのこと。

駅前の弥彦周遊マップ。時間に余裕があればチェックするところだが、宿の夕食に遅れたくないので先を急ぐことに。

弥彦駅前は広々としているが、賑やかというわけではない。本日の宿、清水屋旅館は彌彦神社の鳥居の目の前にあり、場所は把握しているので迷わず進む。

外苑坂通りと参宮通りの分岐。どちらから行っても同じような距離だが、弥彦山の石碑や彌彦神社の道標に従って左の外苑坂通りを行くことに。

正面に弥彦山を眺めながら外苑坂通りを進んでいく。

信号のある交差点を右折すると神社通りになる。道の先に朱塗りの鳥居が小さく見えている。あとは宿まで真っ直ぐ進むだけだ。

本日の宿、清水屋旅館に到着。まさに鳥居の目の前で、彌彦神社に一番近い旅館である。1階にはロビー、浴室の他に、独立した食事処がある。

客室は3階と4階に全10室、収容人員40名。われわれは4階の和室に案内された。部屋の窓からは、弥彦神社の鳥居と参道の木立を見下ろすことができる。すでに夕食が始まっているので、ひと休みして2階の食堂に移動する。

着席してすぐに写真を撮ったのでテーブルがまだ寂しいが、このあとで刺身や天ぷらからデザートまでいろいろ運ばれてくる。料理がみなきれいに盛りつけられ、上品な味付けで、契約農家が作ったコシヒカリもたんまりいただいた。

弥彦温泉の起源などについては弥彦観光協会Webサイト「弥彦浪漫」のなかで以下のように説明されている。

「彌彦神社外苑・弥彦公園のトンネルを抜けもみじ谷を更に奥へと進んだ先に標高115mの御殿山があります。この御殿山の南側中腹に彌彦神社末社の湯神社が鎮座しています。この湯神社こそ、弥彦温泉発祥の源です。
 たくさんの評判と賑わいをもたらした『弥彦の霊泉』、つまり弥彦温泉の歴史は、伊夜日子の里に住む、とある猟師が湧き出る温泉を見つけたことにより始まりました。弥彦の村人たちが彌彦神社の神官にお願いし、お湯が湧き出る池の傍らの大岩を背に湯神社を建立しました。また湯神社は俗に「石薬師大明神」と親しまれ、諸病に霊験がある他、願い事は何でもかなえてくださるとして、今でも多くの人から信仰されております。
 外苑坂通りのテニスコート上側から弥彦公園に入る道を湯神社参道と呼んでおり、この程配湯が開始された弥彦の新源泉は、この参道脇から湧出したことにちなみ、湯神社温泉と名付けられました」

この他に観音寺温泉という源泉からもお湯が提供されていたが、東日本大震災の影響で源泉水位が低下したため、現在は温泉水の供給を停止しているという。

この日は食休みしたあとと寝る前にお湯につかり、長い移動の疲れを癒した。

新潟の温泉・霊場巡り その十一につづく)






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